入国審査の際、"For Business?"と聞かれたのに対し"No. For sightseeing"と答えた者として、知財関連で是非行ってみたかった場所がここには2箇所ありました。
1つ目は、先日、訪問した連邦地方裁判所。
2つ目は、国際貿易委員会、いわゆる”ITC(International Trade Commission)”です。
ご存知の方も多いと思いますが、ITCは、関税法337条に基づいて、特許権などの知的財産権を侵害する商品の米国への輸入禁止等を命じる強大な権限を持った独立機関で、過去日本企業が被告となることが多かった場所ですが、最近では日本企業による利用も多くなってきたようです。
裁判所と違い行政機関であるためか、口頭審理などのスケジュールがそれほど公になっておらず、こちらの弁護士の方の“全面的な協力”を仰ぎながら、口頭審理の日時などをいちいち問い合わせたりして、どうにか訪問の予定を立てることができました。一緒に行った弁護士もITCを訪問するのは初めてとのことで、訪問当日は2人して地図を見ながら、きょろきょろしてITCの建物を探しました。
ともすれば裁判所よりも強大な権限を持つ機関であると言われているわりには、建物はそれほど荘厳な感じではなく、一般的なオフィスビルのようです(↓)。
でも一応、建物に間違いはないようです・・・
裁判所と同様、ITCも口頭審理などは公開が原則のようですが、実際問題として直接の利害関係者以外が訪問することはないようで、受付で、訪問した理由、訪問先などを細かく質問されました。一応、問い合わせをしていた女性の方がいたので、その方を呼び出してもらい、どうにか中に入ることができました。
ところが、せっかくITCの中に入ったものの、進行中の口頭審理が、
"Public"→"Confidentail"に変わってしまい、残念ながら、傍聴できないことになってしまいました。Court roomの前に電光掲示板みたいなものがあり、そこに、"Public"or"Confidential"の表示がされ、"Confidential"になると企業秘密みたいな内容も含んだ審理となり、第三者は傍聴できなくなるそうです。
せっかくここまで来たのに見れないのかと残念な気持ちでいたところ、その気持ちを察してか否か、対応してくれた女性の方が、せっかくだからと、審理に使われていない別のCourt roomを案内してくれ、いろいろと説明してくれました(ありがとう!)。ここも写真はNGだとのことでしたが、Jury用の席がなく、第三者が座るらしき席も少なく(あまり公開する気持ちは強くないようです・・)、また、第三者が座るらしき席と弁護士たちが座る席との間に特に仕切りもなく1つの巨大な部屋のようで、地裁とは随分違うスタイルでした。
実際、ITCは、こちらの弁護士の方にとっても特殊な機関のようで、また手続きも特許庁や裁判所のものとは異なり、今回一緒に行った弁護士を初めITCに行ったことすらない弁護士の方は比較的多いようでした。むしろ、ITCの場合、それに特化した"ITC Lawyer"なる方がいるようで、かれらはそれを誇示したいためか、自分の車のナンバーに"337"といった数字を含ませたりすることもあるようです。私はまだ見たことがないですが、もしワシントンDC近郊を走っている車のナンバーに"337"が含まれていたら、そのドライバーは、ITC Lawyerかもしれませんね。