駐在事務所には、特許弁護士だけでなく様々な弁護士がいます。たとえば、連邦議会(Congress)を相手に仕事をするA弁護士。彼が、下院(House)司法委員会の傍聴に連れて行ってくれました。今回傍聴できるのは、いわゆるパテント・トロールの対策法案を検討する委員会とのこと。会場はこちら、下院のRayburn Buildingです。議員会館みたいなものでしょうか。DCを象徴する議事堂(Capitol)の下院側、つまり南側に位置します。
入り口には何やら格好つけたポーズの銅像が。誰でしょう?知りません。たぶん、過去に下院に対して多大な貢献をした人なのでしょう。
傍聴には多数の人が訪れるため、1時間以上前に並んで入館しました。A弁護士が、広い会館の中、委員会が開かれる場所を探してくれます。以前、大手出版会社に勤務して議会の取材をしていただけあって、会館内を歩くのは慣れたものです。私は、まるでカルガモの子のようについて行くだけ…
会場に入ると、下院議員(Representative)と、関係者と、傍聴する人々が入り混じってガヤガヤと立ち話をしています。傍聴者に対して、簡単な資料が配られました。今日は、トロールの被害にあっている6つの企業の証人が証言するようです。
証人として、シスコシステムズ、ジョンソン&ジョンソン、アドビ システムズ…世界的に有名な企業の副社長クラスが来ています。
予定の時間が来ると、最初に議長の挨拶が行われ、下院議員による状況説明、続いて証人による証言が行われました。各社5分ずつの証言では、いかにトロールの被害を受けているか、そして、どれほどトロール対策を必要としているか…が投げかけられました。詳しい内容までは理解できないのですが、うち1名は、ディスカバリーに要する莫大な費用のことを説明していました。ディスカバリー書類は何百、何千万枚にも及び、それらを積み上げるとワシントンモニュメントの高さをも超えるほどなのです、と。何も開発をしない、何も生産しない、何もモノを売らない…にも関わらず彼ら企業を攻撃してくるトロール。これが社会で大問題になっていることを実感しました。
証言を聞いていた下院議員ですが、自らが選出された州の企業(地元企業)に対して積極的に質問を投げかけ、意見を聞きだしていました。下院議員の任期は2年であり、6年の上院議員に比べれば不安定な立場にあります。この辺り、ちょっとポーズ的なものもあるのかも知れません…
この日の委員会の概要は、こちら。
さて傍聴も長引いてちょっと退屈になってきたなぁ〜というあたりで、会場を抜け出してランチに。下院のRayburn Building から出て、下院側からみる議事堂です。観光本には見られない、ちょっと珍しいアングルです。
ランチ後に事務所に戻ると、夕刻からは聖パトリックの日にちなんだパーティーが。どこからともなくやってきた、キルト(アイルランド民族衣装)に身を包んだバグパイプおじさんと一緒にハイチーズ。
私が片手に持つ飲み物は、アイリッシュウィスキーにホットコーヒーを注いで生クリームを乗せたものです。ちょっと甘いんですが、ウィスキーがダブルくらい入っていて結構な酒の味。こういうの、(大概無茶してた)大学時代を含め人生初です。周りの人に、「コレ飲んでるの!美味しいって思う?」と聞かれましたが、「なんか不思議な味です」と苦笑い気味に答えつつ、ゴクゴク飲みました。上の写真ではニコニコしていますが、この後、体調に異変をきたしました(苦笑)。とにもかくにも、いろいろあって楽しい一日でした!