ワシントンDC近くで開催された2つのセミナーに参加してきました。
一つ目は、米国出願用の明細書の書き方と、中間処理についてでした。出願人を実際代理しているUS Patent AttorneyやUS Patent Agent向けのセミナーでした。
お客様の米国出願を実際サポートさせていただく立場として、大変有意義なセミナーでした。
特にクレーム言語の解釈の仕方や、103条の非自明性に関する意見書での主張の仕方などについて学んだことは、今後の業務を進めるにおいても大変貴重な知識になると思います。
たまたま隣の方が以前USPTOで審査官として勤めていた方でして、しかもセミナー会場がUSPTOのすぐそばだったので、昼休みには彼の案内でUSPTOの見学もできました。
今まで何度かUSPTOを見学・訪問していますが、やはり(旧)審査官によるガイドツアーは特別なものでした。
USPTOの前で(旧)審査官とワンカット!
Customer Service Windowとは、特許出願等を紙で行う場合の窓口です。
最近は使う場面が少なくなりましたが、電子出願が苦手な弁護士とかは今でも良く使っているのだそうです。
また、普段は電子出願を行っている事務所であっても、例えば事務所のシステムが突然故障したり、停電になったりした場合には、この窓口に出願書類等を直接持ってくる場合もたまにあるのだそうです。
更に、アメリカでは、特許出願を非公開にする場合がありますが、そのような場合には、この窓口が特に良く利用されているようです。
(旧)審査官が窓口の職員にお願いをし、書類を提出するふりをしています(笑)
二つ目のセミナーは、米国の特許事務所の事務スタッフの方が受けるようなセミナーでした。
事務スタッフとしてUSPTOと実際どうやり取りをすれば良いのか、に関する内容でして、私が直接このような仕事をする訳ではございませんが、日本でお客様を代理する者として、アメリカで実際どう動いているのかを知っておきたかったので、このセミナーに参加しました。
セミナー終了後は、修了証明書みたいなものまでいただきました。
今回の3か月DC駐在の立派な記念品になりそうです(笑)
これは出願時に出すApplication Data Sheetですが、最近のAIA改正に従って、当該出願がTransition Applicationかどうかをチェックするところがあります。
講師の方が、「このチェックボックスにチェックを入れるかどうかについては、事務所の弁護士に聞いてください」と言ったところ、
受講生の誰かが、「うちの弁護士はチェックの要否について、いつも私に聞きに来ているのよ。AIA改正、紛らわしいわ…」と言っていました。
受講生の何人かは爆笑していましたが、そのうち何人かはうなづいていました。
確かに、Transition Applicationかどうかを判断することはちょっとややこしいことですが、日本の代理人としては、アメリカの代理人を信頼できる状態でお仕事したいですね。
例の受講生と、彼女の発言にうなづいていた受講生の所属事務所は、一応、把握しておきました(笑)。
受講生はすべてアメリカ人で、私だけが外国人という、言語的に少しつらい状況でしたが、大変有意義な時間でした。